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起業家として知っておきたい vol.1会社設立のメリット・ディメリット

事業を新たに始める時、個人事業として始めるか会社を興すかは迷うところではあると思います。商法が改正され、起業促進の考えのもと、誰でも比較的簡単に会社を作ることが出来るようになりました。これは以前と比べると、どちらを選択するかは自由になった反面、より多くの要素を踏まえた上でどういった形態で起業するかを決めることが重要になったといえます。

 

ここでは会社設立のメリット・デメリットを示し、参考にして頂ければと思います 。

 

 

会社設立のメリット1 社会的信用

企業の信用というのは本来、経営内容や資産等の実質から判断されるべきものですが、知名度の低い小規模な事業の場合には、どうしても経済力で判断されてしまうのが現実のようです。


その点では、個人の資産だけで始めた個人事業よりも、資本金が明確である会社の方が有利であるといえます。 また業種や業界によっては、会社組織(法人)でないと取引してもらえない、というようなこともあるようです。

 

 

会社設立のメリット2 資金調達

個人事業の場合、資金は経営者個人の自己資金か借入金のみとなります。 しかし株式会社の場合なら「株主」から、合同会社の場合なら「社員」から出資金を集めることが出来ます。そのため、会社の方が個人事業よりも多くの資金を集めることが可能となります。 また金融機関からの融資も、会社の方が受け易くなります。

 

 

会社設立のメリット3 有限責任

有限責任。これが会社設立の最大のメリットかもしれません。 どういう意味かと言いますと、例えば万が一事業に失敗し倒産してしまった場合、会社であれば、出資者が出資した分だけの債務を負うだけであり、それ以上の責任を問われることはない、ということです。

 

一方、個人事業の場合であれば、事業主が個人の全財産をもって債務を返済しなければなりません。これを無限責任と言います。 無限責任とは非常に重い責任ですので、これを背負うという事は、事業を行っていく上で多少の負担となることは否めません。

 

ただ「会社の場合は有限責任だ」と言っても、金融機関などから融資を受ける場合には注意が必要です。通常、銀行などが会社に対し貸付をする場合、その会社の代表者の個人保証を条件にしますので、そうなった場合は代表者に関しては事実上は無限責任と同じ扱いになります。

 

 

会社設立のメリット4 節税

個人事業の場合、所得税として最高税率37%という超過累進課税率により課税されますが、会社の場合は法人税が課税されることになります。 法人税は資本金と所得額によって変わってきますが、最高でも30%の一定税率で課税されます。

 

また、会社の場合は家族を役員や従業員にすることで所得を分散することが出来ます。 他にも、青色申告をした場合の欠損金の繰越が、7年間になるなどのメリットがあります。 (ちなみに個人事業の場合は3年間となります。)

 


 

会社設立のデメリット1 費用

個人事業の場合は、税務署等に届出をするだけで良いので、いつでも始めることが出来ますし、そのための費用もほとんどかかりません。しかし会社を設立しようとする場合には、それだけである程度の費用がかかってしまいます。

 

すべての手続きを自分でやるとしても、株式会社の場合には約30万円、合同会社の場合で約10万円の費用がかかります。 また法務局や公証人役場、市区町村役場等に足を運ばなくてはならないので、時間もかかります。

 

 

会社設立のデメリット2 経理処理

税法では会社に対し、
1、『複式簿記』で記帳を行うこと
2、決算書類は『損益計算書』と『貸借対照表』を作成すること
を義務付けていますので、記帳業務が煩雑になります。

 

また業種や従業員数によっては、会社にすることによって健康保険や厚生年金保険の適用事業となり、社会保険料の負担が発生することがあります。

 

 

会社設立のデメリット3 損金参入の制限(交際費)

個人事業であれば、交際費は原則として全額が必要経費として計上することが出来ますが、会社の場合は一定の額しか認められなくなります。

 

 

会社設立のデメリット4 法人住民税

個人事業の場合は、所得が赤字になれば税負担は発生しません。 しかし会社の場合は法人所得が赤字であっても、資本金額に応じて最低でも7万円の法人住民税・均等割の税負担が発生します。